プロジェクトストーリー
- 新製品開発
「Auダメージレスレジスト剥離液」
Phase 1
原因不明な課題に、調査・考察・検証のプロセスで解決へ
「電子デバイスの製造工程で使用されるフォトレジストを剥離液で除去するプロセスで、デバイス側の仕様によってはAuにダメージが発生する事象が起こった。ダメージを回避する剥離液の開発はできないか」とお客さまから相談を受け、「Auダメージレスレジスト剥離液」を開発する運びとなりました。
新品の剥離液であれば発生しなかったAuダメージが、劣化液(使用済液)の場合では発生したという事象で、この改善をするにあたり原因調査と改善検証の2方向から取り組みました。まず、原因調査として劣化液のダメージを分析し、原因の考察と検証実験を経て文献調査を行いました。原因を明確にした次の段階となる改善検証は、劣化液を作成してから組成を検証し、防食剤検証を行うことでAuダメージレスレジスト剥離液を開発することができました。
Phase 2
どんな要望にも適切かつ丁寧に対応し、迅速な開発を実現
今回の開発では、性能を維持しながらAuダメージレス品を開発しなければならないという大きな課題や、お客さまの製造工程に欠かせない化学薬品のため迅速に結果を出す必要があり、苦労しました。さらに、詳細な反応メカニズムや技術的コメントをお伝えするための文献調査やデータ収集も困難を伴いました。
このような多くの情報や課題がある案件では、お客さまとの窓口となる営業担当と研究開発担当の連携が重要です。今回も営業スタッフはお客さまの課題に的確に応えるため開発に必要な情報をくみ取り、研究開発スタッフはデータの取得や評価を集中的に行うなど、それぞれの役割を果たしながら連携を図りました。Auダメージの原因を探り、一つひとつデータを考察し検証を行った結果、評価方法を一から見直すことも。諦めることなく研究を続けることで開発につながりました。
Phase 3
技術を結集させた製品は高評価を得て、販路拡大につながる
完成したAuダメージレスレジスト剥離液は迅速かつ的確にご要望にお応えできたことで、結果的に高い評価を受けました。お客さまはこれまで他社を含め2種類の剥離液を使用していましたが、付加機能から当社の製品を一括して使用いただけることになりました。今回の開発は完了しましたが、これで終わりではなく今後のフォローや、お客さまの異なる課題にも対応しなければなりません。さらに、Auエッチング液を使っているメーカーにとってニーズがあると予想されるため、今回の開発をもとに次なる提案につながる開発も検討します。
最先端技術と関わる電子材料事業では、困難な課題はつきもの。それでも多種多様なご要望に寄り添い、これまで培った技術を活用することで課題を解決する開発を実現させていく。その連続が、最終的に当社の理念にもある新たな価値の創造につながっていくと信じています。
●営業スタッフからひとこと
お客さまから求められる技術的なご要望に応えるため、必要な場面での打ち合わせには研究開発スタッフも同席することで、信頼を得ながらプロジェクトを進行できました。
●研究開発スタッフからのひとこと
知見のなかったAuダメージを改善するというミッションのため、技術的な側面で多くが求められた開発でした。これからもお客さまの課題解決につながる製品開発に努めてまいります。
【Auダメージレスレジスト剥離液】
Auを腐食することなく、レジストを良好に剥離するための化学薬品。一般的なアミン/溶剤系?離液と比較して、薬液ライフ延長が可能。
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レジスト剥離液(アミン/溶剤系・溶剤系・有機アルカリ系)
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