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林純薬工業株式会社

新種図鑑

07

研究開発

医学系研究科 医科学専攻 卒業

実験好き少年の
モチベーションを優先した会社選び

生まれてから大学院卒業まで、ずっと佐賀県で育ちました。小さい頃から実験が大好きで、将来は量子コンピューターをつくることが夢。社会に出てからも実験ができる研究職をめざしました。
就職活動では数社から内定をいただき、そのうち一番大手のメーカーに就職するつもりでインターンシップにも参加していたのですが、仕事を体験する中で「ここは自分には合っていないのではないか」という感覚になりました。私は好奇心が旺盛で、自分で積極的に課題を見つけ、自分で実験して成果を出したいというタイプ。新人だから、と決められたルーティンワークを与えられるのではなく、新人でも課題を任せていただけるような会社を選びたいと思いました。
林純薬工業にはそのような環境があると感じ、入社を決意。今から考えると直感的で、自分のモチベーション重視の会社選びですが(笑)入社から約6年、好きな実験ができ、実験結果でお客さまの課題を解決できるテクノセンターで毎日を過ごしていると、自分の選択は正しかったな、と実感します。

お客さまの課題をクリアすることで成長できる、
レジスト剥離薬液の開発

スマートフォンやノートパソコンなどの電子機器には様々な電子部品が内蔵されていますが、近年では電子部品を手作業で加工したり、製造したりすることはまずありません。電子部品は化学の力を利用して、高精密なものが製造されています。電子部品の製造工程を簡単に説明すると「成膜→レジスト塗布→パターン形成(エッチング)→レジスト剥離→成膜」の繰り返し。私はこの工程中の「レジスト剥離」の薬液開発を担当しています。お客さまの部品製造条件や課題を解決する薬液の開発や提案が私の仕事です。
具体的な仕事内容は、お客さまから評価サンプルを提供いただき、そのサンプルを用いて、実験室スケールの性能確認評価を行うこと。また、既存の剥離液の性能を上げるため、多種多様な添加剤を添加し、性能向上評価を行うことですね。電子材料、プロセス、化学反応の知識が得られることもこの仕事の楽しさですが、何よりもお客さまの課題をクリアしていく喜びや、お客さまの要望を通して、自分自身が研究開発者として成長できるところが魅力だと思います。

お客さまの視点で考えることが
浸透している企業カルチャー

林純薬工業は営業、研究開発、生産など、どの部門にも「お客さまの視点で考える」というカルチャーが浸透しているように感じます。テクノセンターは電子材料部という1つのチームの班でもあり、研究開発者がお客さまと直接お話する機会も多いことから、私も自然にお客さまの課題を「自分ごと」としてとらえられるようになったと思います。初めてお客さまの企業に訪問した時には、緊張しすぎてお昼ごはんが食べられなかった、という苦い思い出もありますが(笑)、今では落ち着いてお客さまとのWeb会議に臨むことができるようになりました。
私の強みは細かい作業が得意であること、そして冷静な判断ができるところなので、実験や観察という職務にはとても役立っていますが、もう1つの強みは明るさですね。テクノセンターのメンバーと本当に楽しく仕事をしています。今後はお客さまに対する会話力やプレゼンテーション力などのコミュニケーションスキルも磨き、さらにチームが明るく、楽しく開発ができる空気を生み出したいと考えています。

興味や好奇心が必要な研究開発者。
情報収集や新しいアプローチの実験にも挑戦したい

仕事として毎日好きな実験ができることは本当に幸せなのですが、研究開発者として一番大切なのは、興味や好奇心のアンテナをはることだと考えています。仮説やコンセプト設計も、幅広い知識や課題発見のセンスがあってこそ。日常的にネットニュースで広く社会のトレンド情報を集めたり、Youtubeのニッチな実験チャンネルで、新たな実験のヒントを得たりして、自分の好奇心を育てています。
30歳を目前とした次のチャレンジとして、林純薬工業というブランドをもっとたくさんの企業に知っていただいたり、開発力や技術力をオープンにすることで社会貢献もしたいと考えるようになりました。ソーシャルメディアや動画コンテンツなどで、研究開発者として新しい情報発信やアプローチの実験ができれば楽しいですね。

取材:コミュニケーション戦略グループ(2022年6月)